柊野日記〜Hiragino Diary〜

「人生一度きり、やりたい事やろう」なんて言われるけど、現実はそう簡単じゃない。少しでもやりたい事を追い求めていくブログ。

【本 4/36】 ビジネスエリートの新論語

さがみさがなかです。

 

前回の、日日是好日から、お茶という時の洗礼を受けていない文化の素晴らしさを改めて知り、時の洗礼を受けない小説家(?)の作品を読みたくなりました。

 

たくさんの小説家がいる中で、今回は「燃えよ剣」、「竜馬がゆく」、「坂の上の雲」、等でおなじみの司馬遼太郎先生にチャレンジ。

 

ビジネスエリートの新論語

司馬遼太郎

文春新書

2016年12月発行

 

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何気なく手に取った、この本。

1955年、サラリーマン(新聞記者)時代に書かれたそうな。

1923年のお生まれなので、当時32歳(!)

、今のワタクシより少々若い年齢で書かれたみたいで、俄然興味が湧いてきた。

 

では、気になる部分を見ていきます。

 

1、秩序を破壊して新しい秩序をつくるということは、男児一匹、最も本懐とすべき生き方だが、残念ながらサラリーマンにとってそれは無縁の生き方であるようだ。秩序の破壊は革命家か天才たちにまかしておけばよい。

そうした大それた問題ではなく、秩序に対する小さな問題についても、もし部品らしく安穏に生きようと思えば、それぞれの職場のルールを通したほうがよかろう。サラリーマンの職業的バックボーンは、あくまで規律にあるということを忘れないほうがよい。

P32

 

2、人生観の年輪

ある重役がいった。サラリーマンをみていると、次のようなことがいえると。二十で希望に燃えている者が二十五になると疑いをもつ。三十でそれが迷いになり、三十五であきらめる。会社を辞める年齢は大体三十から三十五の間だ。四十になると保身に専念して、四十五になると慾がでる。 〈評論家 松岡洋子

P51

 

3、義ヲ先ニシ利ヲ後ニスル者ハ栄ユ。

〈大丸店祖 下村正啓居士〉

P55

 

4、だからまず「仲間道」(同僚のこと)としては、こちらから最初に裏切らないこと、これが第一要件として入る。裏切られるのを防止するには、裏切らないという方法しかあるまい。絶対に彼は裏切らない男だというシニセがつけば、まず足もとをスクわれることは、よほどの場合でないかぎり、ない。

次に、サラリーマンの職場生活の敵は蔭口だが、これもこちらから蔭口をいわないことによって、ある程度は防げる。さらに、仲間が困っているときは、いかにイヤな奴であるにせよ、進んで義に勇むことが大事だ。

P70

 

5、教養、経験、修養、性格、若いサラリーマン時代のすべての集積が、四十を越してその風ぼうに沈殿する。逆説的にいえば、四十以後のサラリーマンの運命は、顔によって決定されるといっていい。

P84

 

6、刑務所にいる囚人のほとんどは、自分を悪人とは思っていないという。やむをえず悪事をやったのであり、自分の弁解には一々りっぱな根拠があると、大ていは信じている。

つまり、引かれ者の小唄、ぬすッとにも三分の理、一寸の虫にも五分魂というやつだが、これらは必ずしも刑法のご厄介になる連中ばかりとはかぎっていない。

聖人君子などという特殊な人種以外のすべての人類は、このコトワザに関するかぎり"ぬすッと"に該当する人物ばかりと思っていい。

要するに、批評、非難、叱責という行為は、上下のいかんにかかわらず、すべての職場人に対して避けたほうがいいということだ。

P100

 

7、重役さんには聴かせたくない言葉だが、よきサラリーマンの可憐な本音というのはやはりこの辺におちつく。裏を返していえば、女房の味をもっとも知りつくして死ねるのも、サラリーマンならではの役得だし、さらに裏を返せば、亭主の味をたんのうするくらい頂けるのもサラリーマンの女房なればこそだろう。

サラリーマンの幸福な人生とは、家庭にコンパスのシンを置いた人生である。

第一に家庭生活に割かれる時間が十分すぎるほどある。第二に、仕事が家庭生活の密度をこわす場合はまずすくない。

P128

 

8、退職金でタバコ屋のシニセを買うとか、在職中小ガネをためて居食いするとか、ムスコに寄りかかるとか、陳腐なてはいくらもあろう。が、多少覇気のあるサラリーマンの採らぬところにちがいない。なら、死ぬまで働けるような自分を在職中から育てあげるべきだ。在職中の職種による技能が退職後に生かせるようなものなら文句はないけど、でなければ、在職中サラリーマン稼業以外の技能をえいえいと養うべきである。たいていの技能は、いくら片手間の習得でも三十年もやっていれば、立派に専門家になる。それはなるべく性格や趣味に適ったものをえらぶべきで、たとえば、園芸のすきな男がバラの品種改良を本格的にやってけっこう月給以上の収入を得ているのもあれば、書の好きな会計課員が定年後書道の先生で立派に門戸をはっているものもある。

 

 

今回も長かった。

これまでのブログでは、本文より惹かれた文章の引用を行なってきましたが、あまりに時間が掛かり過ぎるので、次回ブログより400字以内でまとめる感想に切り替えます。

2019年も2ヶ月以上過ぎ、36冊の目標で4冊しか読めていないので。。。

 

有難うございました!